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【平成27年版】自動車整備士の平均給料(月給)と平均年収
- 目次
- 平成27年 自動車整備士の平均給料(月給)と平均年収・手取り額
- 年々改善されていく整備士の賃金。今年はどのくらい改善されたのか。
- 整備士の年収は平成21年から平成27年で約33万円アップ!
- 他の職種と比べると整備士の給料は本当に安いのか
- 年齢と給料の関係性は?年収が最も高いのは45~49歳の整備士
- 会社の規模と年収の関係性。年収に80万円の差が!
平成27年 自動車整備士の平均給料(月給)と平均年収・手取り額
平成27年の自動車整備士の給与など収入は、いくら位なのでしょうか?
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」によると整備士の毎月の給料(月給)と賞与は下のようになります。
自動車整備士 | 36.7 | 11.7 | 29.1 | 72.4 | 421.6 | 168 | 20 | 188 |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
自動車整備士として働く人の給料の手取り額
月給29万円、年収422万円は「総支給額」となりますので、手取り額ではありません。社会保険などを引かれた後の実際の手取りの給料はどの位になるのでしょうか?
手取りは支給額の約20%が各種保険(健康保険、雇用保険等)で引かれると仮定すると
【月給(29.1万円)-各種保険(5.8万円)】となり
およそ、手取り月給は23.3万円
年収は
【手取り月給×12ヶ月+賞与(72.4万円)-賞与分の各種保険(14.5万円)】となり
およそ、手取り年収は約337万円
となります。
年々改善されていく整備士の賃金。今年はどのくらい改善されたのか。
「自動車整備士の給料は安い」といわれており、業界全体でも低賃金が課題と捉えているため、改善が行われています。
平成20年(2008年)のリーマンショック以降、日本経済は厳しい状況が続いており、近年、ようやく回復傾向にあるものの、円高など様々な経済要因よって、全産業の平均給与(年収)は平成21年(2009年)以降、良くなっているとは言えない状況が続いています。
その中で整備士の月給・年収は下がる事無く、毎年改善されています。
整備士の年収は平成21年から平成27年で約33万円アップ!
全産業の平均に比べ、まだまだ待遇が良いとはいえない整備士の仕事ですが、平成21年(2009年)から平成27年(2016年)の間で年収は約33万円アップしています。
内訳としては月給は2.0万円アップ、賞与が9.3万円アップとなっています。
一方、全産業では年収が18.4万円アップにとどまっており、整備士の待遇の改善が進んでいるといえるでしょう。
自動車整備士 | 平成27年 | 29.1 | 72.4 | 421.6 | 168 | 20 | 188 |
平成26年 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 | |
平成21年 | 27.1 | 63.1 | 388.3 | 170 | 15 | 185 | |
全産業 | 平成27年 | 33.3 | 89.3 | 488.9 | 164 | 13 | 177 |
平成26年 | 30.0 | 84.2 | 444.2 | 163 | 14 | 177 | |
平成21年 | 31.8 | 88.9 | 470.5 | 165 | 11 | 176 |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
全産業平均よりはまだ低いものの、その差は小さくなってきている
平成27年の賃金構造基本統計調査の統計によると整備士の年収と全産業の年収には約67万円の開きがあります。
ただし、平成21年には年収の差が82万円あった事を考えると、待遇は改善されてきているといえるでしょう。
<まとめ>
- 整備士の給料は平成21年から平成27年の間に月給2.0万円、賞与9.3万円、年収が33万円アップ
- 全産業の年収は平成21年から平成27年の間で18万円アップなのに比べ、整備士は大幅に改善されている
- 整備士と全産業の年収の差は、平成27年時点で67万円の開き
- 全産業と整備士の給料の差は徐々に縮まってきている
他の職種と比べると整備士の給料は本当に安いのか
(平成27年度版)
全産業と比較すると給料は決して良いとはいえない自動車整備士の仕事ですが、他の業種と比較するとどうなのでしょうか?
具体的に幾つかの職種と月給や年収、そして年収を時給に換算して比較してみます。
他の職種と月給・年収を比較してみる
整備士の仕事は自動車の販売営業や保険外交(営業)、運送業(ドライバー)に比べ、月給が4.9万~1.0万円低いと統計より読み取ることが出来ます。
ただ、年収を比較してみると保険の営業、普通・小型の運送業(ドライバー)より高いことがわかります。
今度は整備士と同じく国家資格をもって仕事をしている業種である、保育士や理容・美容師と比較すると、整備士の方が月給で5.8万~7.2万円高く、年収で比較すると99万~136万円と大幅に高い事が分かります。
ここでは、月給と年収に関して比較しましたが、業種によって月の労働時間の長さに違いがあるので、次は年収を労働時間で割って時給に換算して比較をしてみます。
自動車整備士 | 36.7 | 11.7 | 29.1 | 72.4 | 421.6 | 168 | 20 | 188 |
自動車外交販売員 | 37.4 | 12.1 | 33.8 | 87.4 | 493.0 | 166 | 12 | 178 |
保険外交員 | 47.2 | 10.7 | 30.6 | 53.2 | 420.4 | 142 | 1 | 143 |
営業用大型貨物自動車運転者 | 47.3 | 11.1 | 34.0 | 29.0 | 437.0 | 180 | 38 | 218 |
営業用普通・小型貨物自動車運転者 | 43.8 | 9.6 | 30.1 | 27.0 | 388.2 | 176 | 39 | 215 |
保育士 | 35.0 | 7.6 | 21.9 | 60.3 | 323.1 | 171 | 4 | 175 |
理容・美容師 | 30.2 | 6.7 | 23.3 | 6.2 | 285.8 | 174 | 8 | 182 |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
他の職種と年収を時給に換算して比較してみる
労働時間が長いということは、それだけ時間外手当てや休日出勤の手当てなどがつくので、給料(年収)が上がっていくことがほとんどだと思います。(良くはないことですが各業種ともサービス残業は統計に含まれていないと思います)
自動車整備士の月間の労働時間は統計によると「188時間」となっており、自動車・保険の営業、保育士、理容・美容師より長く、運送業より大幅に短い事が分かります。
各業種の年収を労働時間から時給に換算すると、整備士は運送業(ドライバー)や保育士、理容・美容師より198円~560円程、時給単価が高いことが分かります。
大型車の運送業(ドライバー)の年収は整備士より高いですが、労働時間が整備士より大幅に長く、その分、年収が高いと考えられます。
自動車整備士 | 421.6 | 168 | 20 | 188 | 1,868.8 |
自動車外交販売員 | 493.0 | 166 | 12 | 178 | 2,308.1 |
保険外交員 | 420.4 | 142 | 1 | 143 | 2,449.9 |
営業用大型貨物自動車運転者 | 437.0 | 180 | 38 | 218 | 1,670.5 |
営業用普通・小型貨物自動車運転者 | 388.2 | 176 | 39 | 215 | 1,504.7 |
保育士 | 323.1 | 171 | 4 | 175 | 1,538.6 |
理容・美容師 | 285.8 | 174 | 8 | 182 | 1,308.6 |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
※時給=年収/(月の労働時間×12ヶ月) で計算
他の職種も昨年(平成26年)より待遇は改善されているのか?
日本の全産業の年収が平成26年より平成27年でアップしていることもあり、ほとんどの職種で年収は改善されています。
その中でも整備士は年収で4.1%、時給単価が3.5%のアップとなっています。
月間の労働時間は整備士が平成26年から平成27年で1時間の増加、大型運送業(ドライバー)が2時間の増加、保育士が3時間の増加などと自動車販売の営業、理容・美容師以外は労働時間が増加しています。
時給単価で比較すると整備士が3.5%のアップ、大型運送業(ドライバー)が2.0%アップ、保育士が0.3%アップとなっており、整備士は労働時間が増えた分以上に時給単価が上がっていることから待遇が改善されていると言えるでしょう。
自動車整備士 | 405 | 422 | 4.1% | 1,806 | 1,869 | 3.5% |
自動車外交販売員 | 476 | 493 | 3.6% | 2,216 | 2,308 | 4.2% |
保険外交員 | 432 | 420 | -2.6% | 2,516 | 2,450 | -2.6% |
営業用大型貨物自動車運転者 | 425 | 437 | 2.9% | 1,638 | 1,670 | 2.0% |
営業用普通・小型貨物自動車運転者 | 379 | 388 | 2.4% | 1,470 | 1,505 | 2.4% |
保育士 | 317 | 323 | 2.1% | 1,534 | 1,539 | 0.3% |
理容・美容師 | 263 | 286 | 8.6% | 1,185 | 1,309 | 10.4% |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
※時給=年収/(月の労働時間×12ヶ月) で計算
<まとめ>
- 全産業と自動車整備士の年収差は年々縮まってきている
- 整備士の年収は自動車販売営業、大型貨物のドライバーより低いが、保険の営業、普通・小型貨物のドライバー、保育士、理容・美容師より高い
- 整備士の年収は大型貨物のドライバーより低いが、時給に換算すると整備士の方が高い
- 整備士の労働時間は月間188時間と平成26年より1時間の増加
- 整備士は労働時間が増えた分以上に時給単価が上がっていることから待遇が改善されている
年齢と給料の関係性は?年収が最も高いのは45~49歳の整備士
一般的に年齢の高い方(勤続年数の長い方)は昇給などで収入が上がっていきます。年齢によって整備士の収入はどのように変化していくのでしょうか?
年齡による月給・年収の違い
統計によると20代前半から20代後半にかけて年収は約23%アップ、20代後半から30代前半で約13%アップ、30代前代から後半にかけて約7%アップし、40代後半で年収のピーク(年収515万円)を迎えるようです。
~19歳 | 1.1 | 18.2 | 17.0 | 235.4 | 167 | 13 | 180 | - |
20~24歳 | 2.2 | 22.0 | 44.9 | 308.9 | 164 | 17 | 181 | 131.2% |
25~29歳 | 6.1 | 25.5 | 73.7 | 379.7 | 166 | 21 | 187 | 122.9% |
30~34歳 | 9.4 | 29.0 | 81.8 | 429.8 | 166 | 22 | 188 | 113.2% |
35~39歳 | 13.3 | 31.6 | 81.4 | 460.6 | 169 | 23 | 192 | 107.2% |
40~44歳 | 15.5 | 34.5 | 88.7 | 502.7 | 170 | 22 | 192 | 109.1% |
45~49歳 | 18.2 | 35.8 | 85.6 | 515.2 | 172 | 20 | 192 | 102.5% |
50~54歳 | 22.6 | 34.1 | 79.6 | 488.8 | 173 | 15 | 188 | 94.9% |
55~59歳 | 25.7 | 34.7 | 81.0 | 497.4 | 173 | 17 | 190 | 101.8% |
60~64歳 | 23.8 | 26.3 | 45.2 | 360.8 | 174 | 16 | 190 | 72.5% |
65~69歳 | 21.2 | 23.3 | 22.3 | 301.9 | 174 | 12 | 186 | 83.7% |
70歳~ | 19.8 | 18.0 | 13.2 | 229.2 | 183 | 5 | 188 | 75.9% |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
<まとめ>
- 年収のピークは45~49歳(年収515万円)
- 年収は「20代・30代」で大きくアップ!
会社の規模と年収の関係性。年収に80万円の差が!
整備士の収入は会社の規模によってどのくらいの差が生まれるのでしょうか?
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに従業員規模が「10~99名」、「100~999名」、「1000名以上」と会社の規模を分けて年収や時給単価を比較してみます。
収入面のアップが最優先の転職は規模の大きい会社の方がよい?
統計のデータを見てみると小規模(10~99名)の年収は393万円、中規模(100~999名)418万円、大規模(1000名以上)473万円と規模によって大きな開きがみられました。
月間の労働時間を比較してみると小規模で193時間、中規模183時間、大規模192時間と小規模・大規模の整備士は労働時間が長く、中規模は短いことが分かります。
労働時間と収入はある程度比例するものなので、年収÷年間の労働時間で時給単価を計算してみると小規模で1,698円、中規模1,905円、大規模2,054円となり小規模と中・大規模では大きな差があり、一方で中規模、大規模ではあまり差がないようです。
従業員数 | ||||||||
整備士全体 | 36.7 | 11.7 | 29.1 | 72.4 | 421.6 | 168 | 20 | 188 |
10~99名 | 42.1 | 13.3 | 28.9 | 46.5 | 393.3 | 178 | 15 | 193 |
100~999名 | 33.6 | 10.1 | 28.0 | 82.3 | 418.3 | 163 | 20 | 183 |
1,000名以上 | 34.8 | 12.4 | 31.6 | 94.1 | 473.3 | 164 | 28 | 192 |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
小規模、中規模の整備士の待遇の改善が進んでいる
労働時間が長く、時給単価が低い小規模の会社ですが、平成26年と比べると年収で5.4%、時給単価が3.8%アップとなっており、整備事業所全体のアップ率を上回っており、小規模の会社の待遇改善は進んでいるようです。
一方で大規模の会社は年収額で見ると高いですが、平成26年から平成27年を比較すると、年収が0.4%アップ、時給単価が2.8%ダウンと労働時間の増加に見合った待遇の改善は出来ていない可能性があります。
転職を考える時は、年収(収入面)を最優先に考えるのか、労働時間の長さを考えるのかで転職先の規模を考えてみることも良い転職をする為の方法なのかもしれません。
従業員数 | ||||||
整備士全体 | 405 | 422 | 4.1% | 1,806 | 1,869 | 3.5% |
10~99名 | 373 | 393 | 5.4% | 1,637 | 1,698 | 3.8% |
100~999名 | 407 | 418 | 2.9% | 1,822 | 1,905 | 4.5% |
1,000名以上 | 472 | 473 | 0.4% | 2,112 | 2,054 | -2.8% |
統計元:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
※時給=年収/(月の労働時間×12ヶ月) で計算
<まとめ>
- 小規模の会社は年収、時給単価ともに平均を上回る待遇改善
- 大規模の会社は労働時間の増加に見合った待遇の改善は出来ていない可能性が
- 転職を考える時は、年収(収入面)を最優先に考えるのか、労働時間の長さを考えるのかで転職先の規模を考えてみることも良い転職をする為の方法
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社会問題にもなっている「整備士の人材不足」という状況を受けて、賃金や労働時間、労働環境の見直しなど整備士の待遇を良くして、良い人材を獲得しようという動きが以前より活発化しています。
この状況をチャンスと捉え、今よりも良い条件を求めて転職を考えてみてはいかがでしょうか。
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