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1級自動車整備士と2級自動車整備士の資格は、いったい何がちがうのでしょうか?
1級整備士と2級整備士の違いや1級の仕事内容、資格取得の為の実務経験などの受験条件などをわかりやすく解説します。また、資格を取得することでのメリットなども合わせて解説していきます。
1級自動車整備士資格は整備士の資格の最上位の資格となります。合格率は31.6%※1となっており、2級の約85%※2、3級の約56%※3に比べ、難易度の高い資格となります。
自動車の整備工場で仕事をしている人の多くは2級整備士で、1級整備士資格を取得している方はあまり多くありません。
その背景として、2級整備士と検査員の有資格者がいれば、整備工場の運営を行っていけるため、現場では1級整備士は重要度が高い資格という認識はあまりされていません。
しかし、1級整備士は意味の無い資格ではなく、1級を取得することで、広く、高い知識・技術を身に着けることができます。
2級整備士の資格は2級ガソリン自動車、2級ジーゼル自動車、2級自動車シャシなどの資格の種類にわかれていますが、1級整備士は「1級小型自動車整備士」という1種類の資格のみになります。
これはどういうことかと言うと、2級整備士の資格は
のように、整備できる車の種類や整備箇所ごとに資格がわかれているのに対し、
1級整備士資格は「1級小型自動車整備士」の1種類のみとなっていて、ガソリン車、ジーゼル車、整備箇所に関わらず、有資格者として整備業務を行うことができます。
また、近年はガソリン、ジーゼルの他に、ハイブリットや電気自動車、水素自動車などの特殊な自動車も増えてきています。1級整備士を取得することで、そのような特殊な自動車の整備に関しても有資格者として業務にあたることができるようになります。
※2級ガソリン自動車整備の資格を持っている整備士がジーゼル(ディーゼル)自動車を整備、または、2級ジーゼル自動車整備の資格を持っている整備士がガソリン自動車を整備しても違法などにはなりません。
現状、1級整備士の資格は「1級小型自動車整備士」となっていますが、厳密にいうと、下の3つの種類の資格に分かれています。
※1:平成26年度第2回登録試験。学科合格率
※2:平成26年度第2回登録試験。ガソリン・ジーゼル・シャシ総合計の学科合格率
※3:平成26年度第2回登録試験。ガソリン・ジーゼル・シャシ総合計の学科合格率
総重量8トン以下、最大積載量2トン未満、乗車定員11名以下の普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の整備に関する高度な知識・技術を持ち、整備を行うことができる上級技術者の資格となります。
上記の自動車に関して、2級整備士とは違い、すべての整備が可能な乗用車整備のスペシャリストです。
バスやトレーラーなどの総重量8トン以上、最大積載量2トン超え、乗車定員11名以上の大型自動車、大型特殊自動車、普通自動車の整備に関する高度な知識・技術を持ち、整備を行うことができる上級技術者の資格となります。
ただし、現在、1級大型自動車整備士の資格取得(国家試験)は行われておりません。
1級二輪自動車整備の資格取得(国家試験)は現在行われていないので、実質的には2級二輪自動車整備士が二輪自動車の最上位の資格となります。
1級整備士資格には上記の3種類が定められていますが、実際には資格試験導入(平成14年度)以降、今まで「1級小型自動車整備士」の1種類以外の国家試験は行われておらず、実質的には1級整備士=1級小型自動車整備士となっています。1級大型自動車整備士、1級二輪自動車整備士の実施は今後も未定となっています。
整備の仕事は1級の資格がなくとも行うことは可能です。
ただ、より高度な整備技術・知識を身に着けたい、整備士の最上級の資格を取得することでのステータスを得たいなど自分を高める上で是非、目指す価値がある資格だといえるでしょう。
整備士1級はガソリン車やジーゼル車、ハイブリット、電気、水素などエンジンの種別、シャシ限定など整備箇所に関わらず自動車に関するすべての整備を行うことができるスペシャリストの資格となります。
1級整備士を持っているとほとんどの整備業務を行うことができますが、一つだけ行うことが出来ない業務があります。
1級整備士が法律上、行えない業務は検査員が行う検査業務です。
検査員の業務とは、整備後や車検のための検査(国が定める保安基準を満たしているかどうかの検査)となります。
検査員は1級整備士や2級整備士を持っているだけでは行うことができません。整備後や車検の検査に関しては、自動車検査員の資格を持っている職員や工場内で任命される整備主任者が行う業務になります。
1級整備士資格を取得するためには国家試験を受験し、合格する必要があります。試験は無条件で受験できるわけではありません。
自動車関連の大学、専門学校等(整備士1級課程)を卒業していない場合には、2級整備士の資格と整備士としての実務経験※1が必要となります。
また、自動車関連の学校を卒業していない場合には、2級取得の前に3級整備士の資格の取得が必要になります。
※1:勤務する職場(整備工場)が「認証工場」「指定工場(民間車検場)」という認定を受けていなければ実務経験として認められない場合がありますので、注意する必要があります。
このステップでは【受験資格を満たす】に関して説明をします。
受験資格(必要な実務経験や学歴)
自動車整備系(1級整備士課程)以外の
学校を卒業した方
2級(シャシ以外)
取得後
実務経験3年以上
※1級小型自動車整備士を受験するためには、2級ガソリン自動車または2級ジーゼル自動車もしくは両方を取得する必要があります。
自動車整備系の専門学校、認定大学等を
卒業の方(1級整備士課程)
卒業と同時
【受験資格を満たす】ことで、【学科試験】と【実技試験】を受ける事が出来るようになります。
整備士資格は国家資格となり、「国土交通省が行う検定試験」または「国土交通大臣の登録を受けた登録試験実施機関(一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)が行う自動車整備技能登録試験」を受験し合格することで資格を取得する事が出来ます。
検定試験と登録試験の違いと関係
※日整連=一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
【参考】一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
登録試験に合格することで2年間、検定試験が免除されます。
整備士を養成することを目的とした、自動車大学校や専門学校。1級課程(2級ガソリン、2級ジーゼルまたは両取得者)は1800時間(養成期間2年以上)となっています。
一種養成施設の課程を修了することで、修了した課程に対する実技試験が2年間免除となります。
整備工場などで整備工として働いている方を対象に国土交通大臣の指定を受けている各都道府県の自動車整備振興会の技術教習所(教場)。
1級課程(2級ガソリン、2級ジーゼルまたは両取得者)は135時間以上(実行170時間程度)で1年間を越えない範囲で教習が設定されています。ニ種養成施設の課程を修了することで、修了した課程に対する実技試験が2年間免除となります。
働きながら通えるように平日昼間以外にも平日夜間や日曜日開催のコースもあります。詳しくは各都道府県の自動車整備振興会に確認してみてください。
※技術教習所に通うためには受験資格に準じる実務経験を講習の終了日までに満たしている必要があります。
学科試験と実技試験の内容
1級自動車整備士を取得することで、広く、高い知識・技術を身に着けることができ、転職先の企業(工場)の選択肢は大きく広がります。1級整備士は、検査業務以外の整備業務を行うことができ、高い整備知識や技術を求められるのため、仕事に対してのやりがいも非常に高まります。
平成25年~平成26年にかけ、自動車関係の団体と国土交通省が自動車整備士の魅力向上ということで、【1級自動車整備士をはじめとした資格取得へのインセンティブを検討し、自動車整備士の社会的価値の向上を図るとともに、整備事業場における1級自動車整備士の資格者の活用方策を検討する。】という方向性を報告書にとりまとめました。
また、現在、日本の整備工場の約半数は人材不足に悩んでおり、そのためもあり、年々整備士の待遇は改善されてきています。
今の職場に不満がある方は、実際に転職するかどうかは別としても、日ごろから求人をチェックしておくことでいい職場に出会えるかもしれません。
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