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自動車整備士の月の平均給料(月給)と平均年収(平成26年版)
- 目次
- 自動車整備士の月の平均給料(月給)と平均年収と手取り額
- 男女別、年代別で月給と年収はどのように変わるのか
- 給料が下がっている日本の中で、待遇が良くなってきている自動車整備士
- 整備士の年収は他の業種とくらべて低いのか?
- 従業員数が多い会社ほど年収など賃金の待遇が高い傾向がある
平成26年 自動車整備士の月の平均給料(月給)と平均年収と手取り額
給料が安いと言われる自動車整備の仕事。厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」によると整備士の毎月の給料(月給)と賞与は下の表の様になります。
自動車整備士 | 36.1 | 11.4 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
自動車整備士として働く人の給料の手取り額
月給28万円、年収405万円は「総支給額」となります。社会保険などを引かれた後の実際の手取りの給料はどの位になるのでしょうか?
手取りは支給額の約20%が各種保険(健康保険、雇用保険等)で引かれると仮定すると
【月給(28.1万円)-各種保険(5.6万円)】となり
およそ、手取り月給は22.5万円
年収は
【手取り月給×12ヶ月+賞与(68.0万円)-賞与分の各種保険(13.6万円)】となり
およそ、手取り年収は約324万円
となります。
年代別で月給と年収はどのように変わるのか
自動車整備士の月給や年収は年齡や男女の違いでどの位変わるのでしょうか?
厚生労働省の統計によると下のようになります。
男女による、収入の違い
自動車整備士として働く方の月給は平均で約28万円、年収は平均で約405万円となっています。
この統計を男性と女性で分けて見てみると、毎月の給料は男性は28.1万円、女性は25.7万円と約2.4万円の差があります。
年収で見てみると男性は平均405.3万円、女性は368.3万円と約37万円の開きがあることが分かります。
男性と女性で平均の勤続年数に差があるので、その分の昇給なども男女差の理由の一つでしょう。
男 性 | 36.1 | 11.5 | 28.1 | 68.1 | 405.3 | 170 | 17 | 187 |
女 性 | 33.1 | 7.2 | 25.7 | 59.9 | 368.3 | 171 | 13 | 184 |
男性・女性合計 | 36.1 | 11.4 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
<まとめ>
- 男性の方が女性より「月給」「賞与」「年収」共に高い
- 男性の方が超過実労働時間が長い → 残業や休日出勤が多い
年齡による収入の違い
自動車整備士として働く方は年齡によって、収入がどのように変化していくのでしょうか?
日整連 自動車整備士白書(平成26年度版)によると、自動車整備士の平均年齡は43.8歳となっています。今回ご紹介している、厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」では従業員数が10名以下の企業は統計から除外されていることもあり、整備士の平均年齡は36歳となっています。(10名以下の企業の平均年齡が高いと思われます)
統計によると年収のピークは45~49歳(年収506万円)で迎えるようです。
~19歳 | 0.9 | 17.5 | 9.2 | 219.2 | 175 | 10 | 185 | - |
20~24歳 | 2.1 | 21.4 | 21.1 | 297.9 | 168 | 16 | 184 | 135.9% |
25~29歳 | 6.1 | 24.9 | 68.6 | 367.4 | 169 | 19 | 188 | 123.3% |
30~34歳 | 9.4 | 28.2 | 78.0 | 416.4 | 169 | 21 | 190 | 113.3% |
35~39歳 | 13.1 | 31.8 | 78.9 | 460.5 | 171 | 21 | 192 | 110.6% |
40~44歳 | 15.8 | 32.7 | 82.0 | 474.4 | 171 | 17 | 188 | 103.0% |
45~49歳 | 19.6 | 35.1 | 84.9 | 506.1 | 171 | 13 | 184 | 106.7% |
50~54歳 | 22.7 | 34.2 | 81.7 | 494.5 | 175 | 12 | 187 | 97.7% |
55~59歳 | 25.5 | 32.6 | 64.0 | 455.2 | 173 | 12 | 185 | 92.1% |
60~64歳 | 26.2 | 26.0 | 45.5 | 357.5 | 173 | 8 | 181 | 78.5% |
65~69歳 | 23.2 | 21.3 | 24.8 | 280.4 | 172 | 2 | 174 | 78.4% |
70歳~ | 30.7 | 24.7 | 20.5 | 316.9 | 175 | 3 | 178 | 113.0% |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
<まとめ>
- 年収のピークは45~49歳(年収506万円)
- 年収は「20代・30代」で大きくアップ!
- 労働時間が最も多い年代は「30歳代」
給料が下がっている日本の中で、待遇が良くなってきている自動車整備士
日本の経済はリーマンショック(2008年)以降、厳しい状況が続いており、全産業の年収は下がっているのに対し、一方で整備士の給料は年々改善されています。
ここでは、平成21年(2009年)と平成26年(2014年)の月給・年収等を比較してみます。
全産業では平成21年から平成26年で月給が5.7%、賞与が5.3%、そして年収が5.6%ダウンしている事が分かります。
自動車整備士は平成21年から平成26年で月給が3.7%アップ、賞与が7.8%アップそして年収が4.4%アップしている事が分かります。
整備業界では整備士不足が進んでおり、月の労働時間が増えていることも収入のアップにつながっていると考えられます。
この統計より、年収を時給に換算してみると、整備士の時給は平成26年が約1,806円、平成21年が1,749円となるので、労働時間が増えた分、収入が上がっただけではなく待遇自体が改善されていると考えられます。
自動車整備士 | 平成26年 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
平成21年 | 27.1 | 63.1 | 388.3 | 170 | 15 | 185 | |
全産業 | 平成26年 | 30.0 | 84.2 | 444.2 | 163 | 14 | 177 |
平成21年 | 31.8 | 88.9 | 470.5 | 165 | 11 | 176 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
<まとめ>
- 全産業では平成21年から平成26年で月給が5.7%、賞与が5.3%、そして年収が5.6%ダウン
- 自動車整備士は平成21年から平成26年で月給が3.7%アップ、賞与が7.8%アップそして年収が4.4%アップ
整備士の年収は他の業種とくらべて低いのか?
賃金が安いなどネガティブなイメージを持たれている整備業ですが、実際には他の業種と比べて、収入はどのくらいの違いがあるのでしょうか?
全産業と自動車整備士の収入の違い
厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」によると日本の全産業の平均年収は444.2万円に対し、自動車整備士の平均年収は405.2万と約39万円の開きがあるようです。
月の労働時間も約10時間、整備業の方が長いため、日本の全産業の中では待遇は良い方とは言えないでしょう。
国土交通省では、整備士不足の問題解決と待遇の改善のため、平成26年4月に「自動車整備人材確保・育成推進協議会」を発足させ、活動を開始しています。
自動車整備士 | 36.1 | 11.4 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
全産業 | 42.1 | 12.1 | 30.0 | 84.2 | 444.2 | 163 | 14 | 177 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
具体的に他の業種と比較すると実は見えてくることが
日本の全産業に比べ年収が約39万円低いとされ、決して待遇が良いとは言えない自動車整備士の仕事ですが、具体的に他の業種の収入と比較すると必ずしも安いとはいえないのかもしれません。
整備士は営業の仕事(自動車販売や保険外交)や大型貨物自動車運転者に比べ年収が低いことが分かります。一方で整備資格と同じ国家資格をもって働いている保育士や理容・美容師に比べると年収は高いということが分かります。
但し、大型貨物自動車運転者は年収と見ると整備士より高いですが、年収を時給に換算すると整備士の時給が1,806円に対し、大型貨物運転者の時給は1,638円となり整備士のほうが高いといえます。
自動車整備士 | 36.1 | 11.4 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
自動車外交販売員 | 37.4 | 12.8 | 32.3 | 88.4 | 476.0 | 168 | 11 | 179 |
保険外交員 | 46.3 | 10.3 | 31.2 | 57.3 | 431.7 | 142 | 1 | 143 |
営業用大型貨物自動車運転者 | 46.5 | 11.1 | 33.0 | 28.5 | 424.5 | 175 | 41 | 216 |
営業用普通・小型貨物自動車運転者 | 44.7 | 9.5 | 29.3 | 27.7 | 379.3 | 176 | 39 | 215 |
保育士 | 34.8 | 7.6 | 21.6 | 57.4 | 316.6 | 168 | 4 | 172 |
理容・美容師 | 30.2 | 5.8 | 21.5 | 5.1 | 263.1 | 174 | 11 | 185 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
※時給=年収/(月の労働時間×12ヶ月) で計算
<まとめ>
- 全産業の平均年収は444.2万円に対し、自動車整備士の平均年収は405.2万
- 全産業と自動車整備士では年収に約39万円の開き
- 自動車整備士の年収は自動車販売や保険外交よりは低いが、保育士・理美容師よりは高い
- 整備士の年収は大型貨物自動車運転手より低いが、時給に換算すると整備士の方が高い
従業員数が多い会社ほど、年収など賃金の待遇が高い傾向がある
転職に関して、収入が全てではないと思いますが、整備士の職場においては、従業員規模の多い会社の方が収入面が良い傾向があります。
また、従業員数が多い会社ほど、月の労働時間も短くなる傾向があります。
転職活動においての最優先の条件が「収入」の方は、従業員規模の大きい会社に転職を考えるのも一つの方法かもしれません。
従業員数 | ||||||||
整備士全体 | 36.1 | 11.4 | 28.1 | 68.0 | 405.2 | 170 | 17 | 187 |
10~99名 | 40.8 | 12.7 | 27.4 | 44.4 | 373.2 | 179 | 11 | 190 |
100~999名 | 33.0 | 10.0 | 27.5 | 76.7 | 406.7 | 167 | 19 | 186 |
1,000名以上 | 35.2 | 13.3 | 31.5 | 93.5 | 471.5 | 163 | 23 | 186 |
統計元:厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
時給=年収/(月の労働時間×12ヶ月) で計算
<まとめ>
- 従業員規模の多い会社の方が収入面が良い傾向がある
- 従業員数が多い会社ほど、月の労働時間も短くなる傾向がある
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